山梨県民信用組合(甲府市中央4丁目)が31日、1月に公表した元職員による顧客の資金着服と、当時の経営陣が監督官庁に報告を怠った問題を調査した第三者委員会の調査報告書を公表。
1月公表の不祥事は、元職員は2017年3月に退職した40代男性で、合併前の旧甲府中央信用組合(現本店営業部)に勤務していた2000年6月~2023年9月までの間に、顧客のローンカードを不正に使用し現金約200万円を着服(2023年9月に判明)。
また、別の顧客3人から出資金預り証等の不正利用により、須玉支店(現韮崎支店店舗内店舗)に勤務していた2016年9月~2017年3月までの間に現金約450万円(2017年3月発覚)、西支店(現本店営業部)に勤務していた2014年8月~2017年8月までの間に現金約100万円(2017年8月発覚)、須玉支店(現韮崎支店店舗内店舗)に勤務していた2016年9月~2017年1月までの間に現金約40万円(2017年9月発覚)の3件で、計約590万円を着服。前理事長ら当時の役員が隠ぺいに関与していたとした。
一方、新たに類似の不祥事3件も明らかに。
1件は、2017年8月に退職した元職員で、南口支店(現青沼支店)に勤務していた2015年12月~2017年5月までの間に顧客の普通預金払戻金約200万円を着服。2017年5月に発覚したが、当時は事務ミスとして処理していた。
もう1件は、2002年3月に退職した元職員で、合併前の旧甲府中央信用組合東支店(現青沼支店)に勤務していた1998年12月~2024年9月までの間に定例集金分の着服や普通預金キャッシュカードの不正使用などで、少なくとも計約53万円を着服。2010年10月に発覚。
残る1件は、2012年11月に退職した元職員で、増穂支店(現鰍沢支店)に勤務していた2004~2005年ごろ、個人的な資金約180万円を顧客に融資する「浮き貸し」をしていた。2020年4月に発覚。
3件とも十分な調査が行われず、いずれも監督官庁に報告していなかった。